ぽぽたんブログ

武蔵豊島氏(石神井城・練馬城)

あらためて、「動機」

最初の「自己紹介」で、この「動機」を「次に書く」と言ったんだが、今回まで繰り延べて来てしまった(^_^;)。
流れ的に、ニュースを知った時の発言(ツイート)を先に出した方が、スグこのブログの趣旨に入って貰いやすい気がして、「前提1、2」を先に廻した。

さて、「としまえん」閉園に絡む署名運動は、その対象が都民・区民である。

私は都民でも区民でもない(^_^;)。
かつて都民だった事はある。
練馬区ではないが、人生に三度はに住んだ(笑)。

日本史が好きなので、練馬城の城主と推測されている豊島氏と、その時代に関係する書籍類を、かなり調べた。
当時はまだインターネットも無く、車も持ってなかったから、本当に都内の地域史として、(今思えば)チンマリとした一点を学ぶに過ぎなかった。

千葉県に来てからネット時代全盛となり、自サイトで歴史ネタを扱って、多くの歴史ファンと、オン・オフを通じて交流できた。
中でも戦国時代は人気で、話題沸騰、特に初期の掲示板は常に満員御礼状態だった。

しかし豊島氏の話は、全く盛り上がらなかった(^_^;)。
豊島氏だけが不人気なのではなく、その時代と地域全体にその傾向が該当する。
(いや、むしろ豊島氏は、城跡が都にあるだけあって、比較すると、関心持つ人が多いと言える)

私自身は千葉県に来てから、車を購入したため、史跡巡りの範囲も広がった。
しかしそれより、地域史・郷土史の書籍が多く、関心を持ちやすい環境を得た方が先で、ゆかりある土地に出掛けてみるに至るまでには、相当な時間を経た。

のめり込むと、このジャンルは本当に面白い(笑)。
この魅力と不人気には、まるで諸刃の剣のように、同じ原因が関わっている。

未解明。

このジャンルに人気が集まらない理由を、色々言う人もいるが、突っ込んで調べた結果、恐らくここに大きな要因があると思う。
そして「未解明」になる原因、それもまた「関心を持たれない」事に遠因すると思う。
卵が先か鶏が先か、メビウスの輪のようにねじれたパラドックスである(笑)。

その時々によって、示される史実に違いが出る。
そのたび、記憶を塗り替える必要が出る。
そもそも非常に複雑な背景を含む時代、地域で、その基本を頭に入れる事すら一苦労なのに、時によっては、その基礎部分から「新説」が出回って、脳内を取り換えなければならない。

豊島氏についての事例で言えば、太田道灌との戦いで、初盤に攻め込まれたとされていた「平塚城」は、どうも近頃、「練馬城」と解釈されるようになったようだ。

これなんかは、広域的視野で見れば、どうでもいい些細な違いに過ぎないが、地元史を扱う立場だと、「平塚城」と印刷された書籍その他を、イチイチ「練馬城」に書き換えねばならないし、前の説明との違いについても、文章を追加して断る必要が出て来る。

こうした小さい瑕も積もれば山となる。
それゆえに、「これ」という代表的なわかりやすい本、ベストセラーな小説が出ないのも、こうした事情で、書き手が取り組みにくい点がある。

ただ、よくよく該当地域の住人は、
「どうせ取り上げられない」
「マイナーなんでしょ」
「他に有名な戦国武将はいっぱい居るからね」
と、まるで歴史そのものに魅力が無いから、人々に振り返って貰えないのだろう、という誤解をしている。

私はこれは、とても残念な事だと思う。

としまえんの復興がなるか、ハリーポッターが出来るか、防災公園となるか、城跡公園となるかはわからない(^_^;)。

城址公園のイメージなら出来なくはない。
しかし、「としまえんに何回行ったかが発言権の決め手」「練馬城なんかどうでもいい」「練馬城址だと調子出ないから、名称はとしまえん公園でよくない?」なんて言ってる人たちに、何を言っても無駄だとわかっている(笑)。

人々が望む事、望まない事に立ち入った所で、他県の者は徒労感しか得られない

日本が絶対に勝つと信じてバケツリレーする人々の中で、今攻めてきてる米国と後で同盟関係になるのだ、などと言えば、どんな袋叩きに遭うかわからない。

あるいは逆に、こっちがジャングルの奥地に昔気質のまま居た、という見方も出来る。
久々の故郷に戻ったら、周りがみんなアメリカナイズされていた(笑)。
これもこれで、迂闊な本音など言おうものなら、袋叩きに逢うに違いない(苦笑)。

しかし私は幸運にも、歴史に出会うチャンスに恵まれ、多くを知った。
そしてそれは、署名に加わる権利の無い、他県に住んだが故である。

だから、この「としまえん」騒動の中で、不可思議なほど絶対に語られる事のない、「豊島氏」の事を書いてみよう、と思いたった。

とは言え、私は、その時代と広域地域については、まぁまぁ知ってる方だと思うが、その中で、特に「豊島氏」に詳しいわけではないので、そこはご愛敬に願いたい(^_^;)。